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norimilesがオススメする 名品?! 銘品?! 迷品?! タイムズ 第一回 J.M.WESTON(J.M.ウエストン)Vol.2

L.V.P.womanの読者の皆さんに、ノンジャンルでこだわりの名品、銘品、迷品を紹介する新しいコラムです。取り上げるモノはいずれも自身が保有したり、使用したりしたことが基本。ネット上で調べればすぐに出てくる情報や知識でなく、実際に触れたからこそ分かる良さをお伝えします!

ファッション、インテリア、ステーショナリー、アウトドアなどのこだわりのものから、キッチン、食品や日常品まで。いわゆるブランドは、本末転倒の名前に頼るのでなくその真価がわかるものを。ポピュラーネームやノンブランドであれば、その魅力の再発見ができるものを。私的に勝手なこだわりをもとに極力冷静に。選択の参考になりましたらありがたく存じます。

前回に引き続き、J.M.WESTONのローファーについてです。一生ものと言われる良さはどこにあるのでしょう。

デザイン、履きゴコチ、耐久性がそろってこその一生もの。

※珍しいカーフ素材のローファー。色が薄いベージュで裸足で夏場の出番が多くなります。カジュアルさが増す素材。

デザイン

どんなシチュエーションにもあうデザインこそが、出番が多くなる一番の理由です!

男性、女性ともほぼ同じデザイン。特に男性の場合、ローファーはスーツスタイルなどにNG(紐靴ですよね)が通常ですが、ウェストンは意外なほどあってしまいます。それは、長めのタン(足の甲が隠れる部分)と、豊富なサイズ設定の幅によるシルエットにあります。甲を隠したタンに程よくかかるパンツの裾は、ソックス部分を真上から見せず、上着からパンツ、靴への流れをきれいにします。DやE、2E、(さらに細かい設定あり)という幅がジャストであうことで、底から甲に向けて丸みを持って巻き込まれた形状が、足そのものを細くスマートに見せてくれます。靴全体が細長く見えるために、スラックスにさらに綺麗にフィットするのです!

たとえば有名な日本製のローファーをあわせている(履いている)姿はよく見かけますが、短いタンと、垂直な面構成のシェイプは全体の滑らかさにかけます。数多くのローファー、様々なブランドのデザインは、スーツにあわせる前提ではないのであえて比較するものでもないですが、ウェストンならスーツの約束をはずしてあわせているという理屈が通用してしまうぐらいのデザインバランス。普段使いには重宝してしまいますね!

カジュアルはもちろん!ジーンズの足元にあればラフなスタイルがちょっと品よくなります。ストレートジーンズに合わせてがベストですが、細めのものでも上述のとおりのシェイプですから、突然靴が大きい、ねずみのキャラクターみたいにになってしまうことはありません。

夏場なら、もはや冗談の世界になってしまった「素足にローファー」(笑)が、決定的に決まる靴としてその本領を発揮します。ロールアップした長袖シャツに、ポロシャツに。さらにラフな究極カジュアルですが短パンだって、ちょっとしたカフェやホテルのロビーでも、靴の効果で気おくれせずに。昨今の夏場の気温を考えると、短パンスタイルはなかなか見逃せなく、シチュエーション対応できるツールとなるのは嬉しいことです。そしてソックスのない素足は足を長く見せます。裸足風ソックスもありますが、それではウェストンンの醍醐味が味わえません。

履き心地

先程、素足にローファーについて書きましたが、この気持ち良さがある意味ウエストン一番の贅沢。所有者なら、思わずにやける履き心地です。当然ソックスありでサイズ決めをしていますが、足裏の形がつきはじめ、少々沈んだ状態になると、足入れも若干すぼまり柔らかくなります。そのころには表革の固さも和らぎ、素足で履ける状態に。春に新しい靴をおろし、通常よりお気に入りのよく履く靴として、その年の夏には素足がはじめられるという印象です。

おろしたてが痛い!という話もよく聞きますが、他の靴に比してその期間が長いかというとそうでもないでしょう。馴染ませるのに1ヶ月といったところでしょうか、もちろん肝心なのは最初のサイズあわせです。馴染んだあとのウエストンは、履くときに靴の中の空気が押し出され、まさに吸い付くようです。脱ぐときにスポッ!音がするようになるのは本当に笑ってしまいます。

耐久性

※先端のスチールはエスカレーターの金属にあたっても大丈夫。ゴム部分は今回VIBRAM社製で滑り止め効果あり。

「一生もの」という言葉は、若いときには、全く想像に実体験が伴わないのでピンときませんでした。しかし今、ローファー25年というと、なかなか良いのではないでしょうか。実際、デザインによって履かない靴になってしまっては一生持っているだけで、本来の意味は失われてしまいます。一番好きで、一番よく履く靴であってほしいものです。その25年のあいだで修理が必要になってきますが、修理が必要なら長持ちとは言えないというのは野暮な話で、あらゆる道具は経年劣化のメンテナンスと部品交換あってこそ、その生命が伸びていきます。

革底(Vivramなどゴムのセレクト、設定もある)のウエストンは、そのまま履くのがベストです。底が程よく柔軟になるので、表側に履き皺はつきにくく思います。減りを恐れて、革底の上全てにゴムを貼る方もいらっしゃいますが、底革が柔軟になって曲がるのを抑えてしまうようです。ただ、日本のアスファルトは思っている以上に靴先、靴底を削ります。

経験上のお勧めは、前半分ぐらいにゴムを貼り、トウ部分にスチールを薄く入れることです。アスファルトのざらつきや、エスカレーターの金属など、つま先が革底の下から二段目まで削れてしまうと、底全体が傷んで必要に迫られるのをを待たずして、オールソールの交換修理となり、せっかく柔軟になってきた履き心地の進化にとっても、コスト的にもとてももったいないです。先端のスチールは、最初にすべりに気を付ければ、じきに慣れて履きにくいことはありません。

ヒールに関しては、重層で仕上げているゴム部分の手前や、そこを越えてしまった場合はヒールそのものを交換します。その際は、直営店でなくとも、信頼のおける靴メンテナンスのお店ならいいものが充分あります。もちろん前者の段階で治せばゴム1枚で安くすみます。駅の緊急修理でなく、靴修理店とお付き合いできたら、トウの件も含めコストを抑えて予防でき、長持ちしますよ。夏には、育った革底とあわせて素足が楽しみになります。素足は靴の内側を痛めるという記述も散見しますが、こればっかりは、自身の足裏が、汗っかきなのか、堅いのかなどによりますから自身での判断ですね。私は左足、つま先小指の爪が内側の革をじわじわと削り薄くなりました。まあ、25年しての経年ですから許せます(笑)

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1990年光文社より翻訳出版された「フランス上流階級 BC BG」(ティエリ・マントゥ著 光文社刊)とJ.M.WESTON。今でこそ一流品の紹介本は数多く存在しますが、単なるモノ紹介でなくBCBGのライフスタイル本です。真面目に、時に皮肉まじりの紹介は今読んでも古さはありません。J.M.WESTONは見せびらかすものでなく、彼らの普通の持ち物として紹介されていました。

※本文章は、個人の所見と使用感に基づいて記載されております。読者の皆様のご参考になれば幸いです。